連載
シーズベーカリーSTORY

福島市の小麦から起こした自家製酵母パン店「SEEDSBAKERY | シーズベーカリー」。なぜシーズベーカリーができたのか?という経緯や、ブランディング、デザイン、店舗設計などの経営の裏側までお話する連載です。

福島市生まれ。福島県立福島高校卒業。多摩美術大学卒業。制作会社を経て2014年に福島にもどりSAGA DESIGN SEEDSに入社。妻が焼くパン店「シーズベーカリー」の共同経営者。趣味はフライフィッシング。
2021.10.21

シーズベーカリーSTORY#2

TORU

変えていく2つの景色

シーズベーカリーの変えていく2つの景色というのを二大ミッションにした。「休耕田を小麦畑の景色にかえる」もうひとつは「食卓の風景を変える」ということ。前回なぜ大きな カンパーニュ を焼くかという理由がこの二つ目に大きく関わる。

大きな カンパーニュ

ニーズを考えれば、核家族化や未婚率から、パンのサイズはどんどん小さく個人向けのものになっている。それにパンは多くの日本人にとってみれば主食というより、「おやつ」としての側面も大きい。そんなことよりも、私たちはパンは大きく焼きたかった。そしてこのパンの大きさでしか伝えられないものがあると考えた。そしてこの大きさでやく私たちも楽しい。

大きな カンパーニュ が美味しくなる理由

パンの側面をクラスト、中身のことをクラムという。大きなパンはクラムがもっちりとしあがって、クラストが相対的に薄く、パリッとする。自家製酵母 で起こしたみずみずしい生地が、オーブンのなかでパリッとした皮のなかで長い時間かけてゆっくり火がとおることによってこの食感が生まれてくる。

なかなか売れなかった大きな カンパーニュ

でもこの大きなパンはなかなか売れなかった。どちらかといえば小さいコロコロしたパンが売れて、カンパーニュは売れなかった。だけど、これはシーズベーカリーのミッション「食卓の風景を変える」ことの象徴。簡単に止めましたとは言えない。これは、策略というより覚悟というほうがいいかもしれない。私たちがパンを焼く喜びや小麦のおいしさがつまったこのパンが売れなければやっている意味もないと感じた。

お客様の吸収のはやさ

最初にこのパンに目をつけたのは、料理教室を開いている人や料理人、シェフ、海外で暮らした経験を持つ人たち、それにとても料理が大好きな人。生活を楽しむ人たちだった。彼らは食べ方をすでに知っていて、それを広めもしてくれた。勇気を出して買ってみるわと言いながら買って行ってくれたお客さんもいた。一人暮らしのお客様も半分はスライスしてすぐに冷凍して使うなどして、こちらが食べ方をお知らせするまでもなくとても早い吸収力で使いこなしてくれている。いまではカンパーニュはもっとも早く売り切れるもののひとつだ。

もうひとつの変えたい景色

冒頭で述べた変えたいもうひとつの景色というのに、休耕田を小麦畑にということを書いた。この着想は、コーヒーのサードウェイブの考え方に似ている。パン屋のなかでも新しい考え方をする人たちは、麦畑と密接に関わって、農家と関係性を持ちながらパンを作っている。シーズベーカリーの畑は、あづま運動公園そばの佐原地区にある。次回のストーリーではこのあたりを書いてみよう。

シーズベーカリーSTORY#1(https://www.saga-d.co.jp/tanemag_cat02/dailyseedsbakery/#seedsbakery_story1
シーズベーカリー公式ホームページ(http://seeds-bakery.com
シーズベーカリーインスタグラム(https://www.instagram.com/seedsbakery/

2021.10.13

シーズベーカリーSTORY#1

TORU

シーズベーカリーについて書いてみようと思う。シーズベーカリーは国産小麦と天然酵母のお店だ。それに加えて言うならば自分たちの小麦を契約農家の方と協力して作っている。安全であって手作りでしかできないものを作っている。

変なキャリアの私たちがパン屋になった

シーズベーカリーでは妻がパンを焼いていて、妻は東京で建築事務所で基本設計などの仕事をしたあとにパン店にてパンの製造を6年やった。そのあと結婚して福島に戻ったわけだが、このSAGA DESIGN SEEDSに私が勤めはじめたと同時に、「私も何かビジネスをはじめたい」といって始まったのがこのシーズベーカリーだ。そんな経歴なので、お店の店舗設計や什器の設計などは妻が担当し、ショップカードやロゴなどは私が担当した。

シーズベーカリーのカンパーニュ

シーズベーカリーのパンで僕がとにかく口うるさく言って作ってもらったのは、大きなサイズのカンパーニュだ。ホールで1200円の値段をつけたときは、ドキドキした。でもそのホールのカンパーニュを買い求める人があとを絶たない。まずこのカンパーニュにはすべてのシーズベーカリーの思いが詰まっている。すべて国産であること。地粉も入っていること。天然酵母であること。長時間発酵であること。それからシーズベーカリーのメインテーマのもう一つは「テーブルの風景を変えるパン店」であること。これを実現するには、海外サイズのカンパーニュがどうしても必要だと考えたのだ。ニーズを考えれば確かにパンは食パンのほうが使いやすいし、サイズが小さい方が買いやすい。だけれど、おおきなカンパーニュでしか出ない味がある。実際小さなサイズで焼いていたときにはでなかった食感や小麦の風味が出る。このあたりを次回のSTORYで書いてみたいと思う。

シーズベーカリー(https://seeds-bakery.com/)

シーズベーカリー・インスタグラム(https://www.instagram.com/seedsbakery/)

お知らせ

シーズベーカリーでは2021年のシュトレンの予約を開始しています!シーズベーカリーのオンラインストアか、店頭でもご予約承っております。