SAGA DESIGN SEEDS

2021.11.02

シーズベーカリー STORY#3「 カンパーニュを見直した 」

毎度、パンばかりの写真でごめんなさい

パンの魅力は、おいしいことが一番

シーズベーカリー の佐賀です。人生で初めて、食べたカンパーニュは、ぼそぼそっとしておいしくないと思いました。これがカンパーニュか。ならばおれは、カンパーニュを食べなくてよいと思ったほどです。いかにもフランスの田舎のひもじい暮らしを連想させるそのパンは、ちょっとごめんなさい。と敬遠したくなるものでした。

良いことと楽しいことを両立させたい

SDGs全盛です。良いことは大事、飲食店やベーカリーを含めてのSDGs的ミッションは、フードロスの問題と小麦の安全性や農業におけるCO2排出の削減。でも、どんなに正しいことをやっていても、それ以上にどう楽しく見せられるかが重要だと気づいたのもこのときでした。つまり、どんなに意義があるパンでも楽しい!おいしい!おいしそう!という集客と広報とパンの実力(じつりき)がなければ、正しい行動はすべて無駄になってしまう。SNSの普及や5Gの時代においてなおさらそうなりました。

カンパーニュを見直した

カンパーニュはいまや全盛の時代です。ぼそぼそっとしたカンパーニュ嫌いの私がどうそこからカンパーニュを見直したのか。それはとても簡単で、インターネットのレシピでした。海外の素人からプロまでパンのレシピを公開するフォーミュラがあり、そこで偶然最初に見つけてやってみたカンパーニュのレシピが、「これが、あのカンパーニュ?」と疑いたくなるほどおいしかった。クラスト(パンの皮)がバリっと硬く、香ばしく、切ってみると、おおきな気泡がぼこぼこと均一にあって、いわゆるオープンクラム(大きな気泡がたくさんある)。クラム(気泡)の縁にはつややかなグルテンの伸びた膜があり、もっちりしている。これぞおいしいパンを食べたときの醍醐味だと思いました。そして、同時に「いままで嘘つかれてた」とすら思ったのです。僕がときどき書く目詰まりパン(クラムが潰れて、気泡が小さく明らかに過発酵に見えて、ぼそぼそっとしている)のがカンパーニュだと思っていたあの時を返して欲しい。

フランスの山岳地方のパンを調べれば調べるほど、クープも洒落ていて、とても華やか。田舎暮らしというものが、貧しいものからとても楽しいものに見えた。そう、僕らは楽しい方向にしか惹かれていかない。

ほかのシーズベーカリーSTORY(https://www.saga-d.co.jp/tanemag_cat02/dailyseedsbakery/

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